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2006年2月26日 (日)

大阪

大阪に住んでる女やさかい、いっぺんは行ってみたかってん…

吉本新喜劇と阪神戦。

大阪に住んでこの一年、テレビに出演するタレントはすべて吉本芸人(ハードゲイ人含。)。野球はすべて阪神戦。そりゃそんだけローカルしてたら、興味なくても見たくもなりまっせ。ということで、本日、初めて吉本新喜劇を生で見に行ってきた。

指定席はNの5番(前から14番目、左から5番目。)。もしかして微妙に遠くて、微妙に端の方で見にくいのでは??と少々不安も抱えつつ、なんばグランド花月(NGK)場内へ。入ってみると、テレビでも見たことのあるおなじみのカラフルな横断幕。『あ~テレビで見たことあるある!!』とステージの幕だけで少々興奮を隠せない。そして会場の広さは思いのほか狭く、思いのほかステージも近い。席も隣の赤の他人と方を寄せ合いながら見なければいけないほど。しかし、それでも二階席もありざっと900人も入るらしい。しかも本日はあいにくの雨にも関わらず立ち見客も出るほどの超満員。総勢1000人ほどでステージの開幕を待つ。

幕が上がり、いよいよ新喜劇スタートかと思いきや、まずは若手、ベテラン芸人の漫才及び落語で徐々にステージを温めていく。初めにまだ20歳なのにもう10年ほどコンビを組んでいるという”リアルキッズ”。私は初めて見たが、お笑い好きな方は知る人ぞ知るという二人らしい。大学に通いながら、週末ともなればこんな大舞台で会場を温める将来有望なお二人。理論から外れない正確なコントで遅れて入ってくる客をいじり、絡みつつ、客席とステージを一体化させる。次に、岩井みどりとなんちゃらかんちゃら(相方の名前ワスレタ。)というまさに”大阪の女”、オカ ケンタ・ユウタという40歳過ぎたいいおっさん二人の漫才、なぜかオーストラリアだかどっかの兄ちゃんが大車輪の笑い一つ無い芸を披露し、少々会場の空気もダレてきたところで”桂きん枝”の落語。落語なんて閉じた扇子を箸のように使いまわし、一人で『近状のばぁちゃんが~どうのこうの…』と退屈なイメージがあるが、『夕方の5時に夕飯の仕度もあって忙しいときによ~来ておくんなさった。ここに来るにはよそ行きの服買って、美容院行って、だんなに見てもらって、最低でも3日はかかりまっせ!奥さん。』とか四国や九州からバスツアーで来て、メインのコント中に寝る客達に感謝の気持ちをささげながらけなし落とす。意外と手軽に楽しめる、緊張感のない落語に一安心。そして、師匠の貫禄たっぷり。そでに帰る顔なんて、まさに職人の顔。おみそれしやした。

きん枝師匠が会場にいい緊張感を与え、ピリッと引き締めて温まったステージに次に登場したのは”西川のりお・上方よしお”。すったかたーすったかたー♪拍手の中登場し、西川のりおが『松尾芭蕉です。』と静かに一礼。相方も何も突っ込まないし、客も何も笑わず流されてしまったのだが、シュールなお笑い好きな私達としてはかなりの出落ち。もうそんなおもろいボケされたらかないまへんで。日本史に数々の美しい詞を残してきた詩人松尾芭蕉の名を使って、きん枝師匠が作り上げたいい意味での緊張感を一気にぶち壊した西川のりお。まさに美味しいとこどり。その後も理論のない適当なボケを適当に連発し、適当にステージを去った。後味良し。そして前半最後に登場したのが”中田カウス・ボタン”。正月の退屈な漫才番組では見たことアル。一応ネタとしてもってきたコントはするものの、カウスが自由気ままにやりすぎてボタンのプライベートの浮気惨事を暴露し、もはや途中でコントが成り立たなくなる。二人とも素で笑い転げ、やりたい放題。持ってけ泥棒!やはりステージに上がる芸人もフィールドは同じとは言え、経験とともに漫才にも余裕が出てきて、ベテランほど、漫才というより、ちょっと遊びに来たかのような掛け合いでこちらとしても確実に笑えるので安心。

これで、前半が終了し、休憩を挟んでいよいよ待ちに待ちくたびれた吉本新喜劇。よ!待ってました~!!

今日の出演は、私の大好きな内場勝則、『君たちがいて、僕がいる♪』、『ぁ、どぅも♪』と往年のギャグをここぞとばかりにぶっ放すおちゃめなチャーリー浜、若作りの70歳中山美穂、『~ですかぁ?』と意味不明な疑問詞で間、いや、歯の抜けたようなボケをかもし出す安尾くん。そして、田中角栄のものまねとハゲネタでいじられる島田耕一。その他もろもろ、ブサイクやデブキャラを存分に持て余す脇役に欠かせない舞台芸人の面々。

私の一番の目的はもちろん内場勝則。ちょこまかちょこまか、おもしろい動きやギャグをとばしながらも、あの誠実そうで真っ直ぐな印象がなんとも言えない。他の芸人はばかすかテレビに出演する中、舞台芝居一筋に寡黙な素顔が本当になんとも言えない。脇役でもいつでも彼は舞台の要。ステージに登場してくるや否や、私の目はハート♪時折見せる素の笑顔にこれまた目がハート♪まるで、ちびまるこちゃんの花輪君を見つめるミギワさんのように胸が踊らされる。鼻息は荒川静香より荒い。ぶひっ=3ぶひっ=3未知やすえが羨ますぃ!!やすえさん、あんたイイ旦那とっ捕まえたよ。あたしゃ、お手上げだよ。

久々に何も考えず純粋に爆笑の鳴門海峡ばりのうずに巻き込まれたひと時だった。頭の中は濃すぎた舞台なだけに空っぽ。そしてやはり生は素晴らしい。迫力うんぬんではなく、芸人という喋りの職人技。幾度と無く押し寄せる爆笑の嵐。

20060226_1819_0000 こうして新喜劇を見ていたら、小学校のころからテレビで見ていた新喜劇を思い出した。ランドセルを脱ぎ捨て、土曜日の昼下がり、昼ごはんを食べて、ほっと一息ついた午後一時。内場、石田、辻本の三大座長が誕生し、桑原かずこが『はじめまして。何方ですか?桑原かずこと申します。お入りください。ありがとう。』と超垂れ乳を振り回して、島田珠代が無理のあるぶりっこをして舞台の壁に投げつけられ、山田花子が身の程知らずのため口で絞っても出てこない色気を出せば、藤井隆が『ホット!ホット!ホーー!』と白目をむく。未知やすえが『ちょっと待ったりぃ~~~なぁ☆』と舌を巻けば、池野めだかが小さな体で『やぁ、保安官のロバートです。』とガキとジジィの間を彷徨い、島木ジョージが『しまったしまった島倉千代子、ん~チューイングボ~ン!』と言って前足で灰皿持ってぱちぱちパンチをすれば、『アヘアヘ、かいぃのぉ。』と杖を振り回す間寛平。私にとっては新喜劇の黄金時代である。今考えたら鳥肌が立つほど層々たるメンバーである。

あの時は想像もしなかった。山田花子が24時間テレビでマラソンを走って、感動を与えるとは。あの時は想像もしなかった。池野めだかがゴールデン番組でルナシーの真也とドラムをたたくとは。あの時は想像もしなかった。藤井隆がナンダカンダ言って乙葉をモノにするほど売れるとは。ナンダカンダナニガナンダカ、ワケワカメ。

今日は新喜劇を堪能したあと、道頓堀、そう、阪神優勝でファンが飛び込んで止まない道頓堀を散策した。食い倒れ人形を眺めながら、カニ道楽本店の出店屋台でズワイガニの炭火焼をほじくり返し、昭和の下町を再現した人間味溢れる極楽商店街でソースの香ばしい香りが立ち込める、お好み焼きやたこ焼き、ふんわり明かし焼きをがっついた。大阪名物粉もん料理をたらふく食うたりましたわ。

大阪、人も街も汚く野蛮な街、大阪。家から一歩出たら、いつ誰にどこで襲われるか、人ごみに紛れ、人に酔う。汚いものを踏まぬよう、ひたすら下をむいて歩く日々。あまりの街の汚さに青空があることさえ忘れてしまう。

今日は大阪に来て初めて大阪らしい一日を過ごした。大阪に来てこの一年、ほとほとこの街にはうんざりしていたが、飯はうまいし話せばおもろい。うまいもん食って笑う。これぞ至福。人情という素晴らしき文化にめぐり会えた。

大阪、すっきゃねん♪

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2006年2月22日 (水)

腹痛

突然襲い掛かった悪夢。それはラブストーリーよりも突然でカンチの恋より残酷。

ここ最近、原因不明の腹痛に悩まされている。先週の金曜日あたりから一時的に締め付けるような腹部の痛みを感じる。原因追求の為、まずは先週一週間の食事を振り返った。

月曜日、松坂牛焼肉。週明けにして早くも花金のようだが、ワケあって月曜日から焼肉。霜降りの刺身も食べて、久々の高級牛に右のほっぺ墜落↓↓火曜日、節約生活の代名詞、チャーハン。いつ買ったか分からない”しめじ”の生命力を信じて投入。入れた覚えがない調味料の味がする。酸味あり。しめじ→酸っぱい→怪しい。水曜日、お好み焼き。うまい。木曜日、仕事の帰りが遅くなり冷凍ご飯にレトルトカレー。先々週買ったチーズをぶっかけてインド人もびっくりチーズカリー。普通にうまい。金曜日、会社の同僚マドモアゼルとうちの近所の居酒屋へ。安くてうまい。マドモアゼルは二時間で生中4杯。ハイピッチ。私の腹よりマドモアゼルの腹の方が心配。

疑わしいのは”しめじ”。しかし、便秘気味で腹は張っていたが、ぽっこりお腹の悩みも週末で解決したし、下痢でもない。火曜の”しめじ”じゃ、話が遠すぎる。それでもなかなか治らないので会社を午前中だけ休んで今日は病院に行ってみた。

images4 朝、う○こが出た。腸の調子は快調。ここから景観を損ねないよう、う○こを”UNC”と標記する。朝一のUNCは実に気持ちいい。富士山でも拝みたい気分になる。UNCが白い器に沈んだ瞬間、思わずガッツポーズ。YES!

おなかもすっきりしてマンションの目の前にそびえ立つ病院へ。入り口には電子グランドピアノが置いてあり、館内にピアノの自動演奏が響き渡る。実に優雅。先ほどまでUNCについて熱く語っていたこともすっかり忘れる。とりあえず初診のアンケートにも『時折、激しい腹痛に襲われる。』と書き受付を済ませ、手始めに内科へ回された。検尿を済ませ、『2番診察室の前でお待ちください。』と言われるがまま2診の前で待つ。すると、看護婦さんが私のところへ来て、

『おたみさん、ここは心臓内科で循環器内科は6診になりますがどうしますか?』

はっ?そんなん知らんし、おたくが言ったから私はここで待ってるワケで。しかも、循環器内科は混み合ってるらしく、二時間以上経っても診てもらえるかどうか微妙らしい。そんな微妙な話されても、私、会社もありますから心臓内科の先生でも見れなくないと言われるのなら心臓内科でいいから早く診とくれよ。そして少々待たされて、診察室へ。

坊ちゃん刈り、ガリガリの服も肌も真っ白、そっちが病人じゃねぇかと思うような医者。今流行の”患者の目を見ず、パソコンに向かってぼそぼそ話してるだけ”の医者。先生、私の目を見て!!どう説明しても分かってもらえず、採血で15mlほど血を引き抜かれ、レントゲンとエコーにたらい回しにされ、散々待たされた。そろそろ12時だ。やっと呼ばれて中へ。

『レントゲンとエコーを見る限り問題はありません。ん~たぶんストレスかな。胃炎系のものだと思います。』

と、相変わらずパソコンに話しかけた。そして薬を出しておくと言われ、そろそろ診察も終わるとき、

ギュルぅ~~~

医者の腹が鳴った。パソコンとばかり向き合って話してるだけなのに、そんな緊張感のないあんた腹の方がどうかしてる。あんたの腹の方が医者に見てもらったほうがいい。要診察。

診察料は初診料含めて七千円がパタパタ飛んでいった。。”たぶん”と”○○系”の頼りない診断に七千円。私の腹痛は七千円。七千円の腹痛なら治ってもらわなきゃ困る。今夜は腹巻でもして寝るかな。だっふんだ!!

イタイノ、イタイノ、トンデケ♪

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2006年2月19日 (日)

ランナー

今週は先週までの芸術鑑賞とは打って変わり、ある意味芸術とも言えるが、ある意味肉体美。ダヴィデ象とはかけ離れた肉体。ガリガリ、真っ白白に少々毛が生えた足。果たしてげっぷも出来ないその体で、どこまで限界に挑めるのか。古館一郎も目を凝らして見守るそのゲイ術。

今日は我らがグレフル部部長、コロモックル氏の晴れ舞台。”京田辺市市民駅伝”。駒澤大学や東海大学といった強豪は一切参加せず、男女ごちゃ混ぜ、子供からじぃちゃんばぁちゃんまで老いも若いもおかまいナシで、交通規制一つされていない、田舎の道を和気藹々とひた走る、実にブタ汁の一つでも振舞われそうな駅伝である。ちょいとイイ体付きでもしてる兄ちゃんがランニング・短パンで走りゃ、そこら辺のおばちゃんから旗の一つでも振ってもらえそうなめでたさ満開のイベント。コロモックル氏はそんな駅伝で会社の先輩、後輩を集い、一花咲かせて会社の名でも挙げてやろうという魂胆。しかし、参加者と主催者は太陽に吠えそうなくらい気合が入り、本気モード一色。ピリピリ感漂う。

朝10時にスタート。部長は第6区、アンカー。ということで、私はコロモックル氏の親友、洛西口氏と10時半頃に京田辺市に到着。コロモックル氏がそろそろスタートに備えてウォーミングアップでもしながら少々緊張気味で『トイレ行きたくなってきた;』とでも弱音を吐いているのではないかと、私達はアンカーが襷を受け取る第5中継地点まで車で駅伝コースを爆走しランナーを追い抜き、スタート前のコロモックル氏を激励に行った。

20060219_1042_0000 第5中継地点で短パン、Manchester Unitedのユニフォーム、帽子に眼鏡、タワレコのタオルを首に巻いて明らかにふざけた格好のコロモックル氏を発見。他のランナーより気合が足りていないご様子。今日の調子を尋ねると『いやいや、まだうちのチーム第3区が全然来~へんねん。』と、すでにのぼせてしまったのかベッカムとは天と地、この状態→ → →

これじゃぁ、太陽に吠えるどころか太陽に咬みつかれてしまいそうだ。

どうやらコロモックル氏のチームは会社の名を一旗挙げるどころか最下位を争っているらしい。ゴールでの再会を約束し、私達はゴール地点の市民体育館へ向かった。コロモックル氏と別れた直後、大道路を走るランナーを発見。ゼッケンには『‐6』。第6区の標記。コロモックル氏がへこへこダラダラ喋りまくっているうちに時代は刻一刻と進んでおり、私達と喋っていた間に優勝チームが決定していたことを確信。

11時半、体育館前に用意されたゴールテープの前で、コロモックル氏を待っていた。他のチームはほとんどゴールしており、お疲れ様ムード。コロモックル氏の同僚の方々も彼の帰りを今か未だかと待ちわびる。そして、何やらムコウの方から頭に黄色いタオルまいて、軍手して、赤い服着て爆走体制のおっちゃんが一人…よくよく見ると3㌔という道のりを乗り越えてきたコロモックル氏。よくぞそんなガリガリなお体でここまで辿りついてくれたことよのぉ…格好は相変わらずふざけているものの、ブイサインをしながらゴールテープを切り、倒れこむコロモックル氏。その姿に腹を抱えて指差して笑う私達。同僚に囲まれ、涙ぐましい姿を目の前にしていると、コロモックル氏の記念すべき最初の一言…

『最後はおいしいわ!!』

そしてどうやら少なすぎる沿道の声援(おばちゃんの黄色い声)に一々愛想良く答えていたら疲れ切ってしまったらしい。

アンカーを飾る面々を見る限り、どいつもこいつも最下位を争っているにも関わらず、ぶっちぎり優勝を果たしたかのような、ガッツポーズや部Vサイン。悲劇のヒロインを嬉しそうに飾ってみせる。アンカーを飾るのは運動神経うんぬんではなく、ただのお調子者。

結果は下から三位。コロモックル氏は区間記録13位。

20060219_1120_0000 息も絶え絶えに、私達一バカにしてる庶民のところまで来て下さったコロモックル氏。 私はもちろん差し入れにグレフルジュースとゼリー。こんなときでも部活は惜しまない。(部長、ゼリーは私も食べたこと無いので要レポです!)

そして洛西口氏は激励どころか、まだゴールして間もないコロモックル氏に貸していたライブのチケット代を請求。これがもしもドラマなら一人の体の弱い青年が長年目標としていたマラソンを家族の応援の中完走し、毛布に包まれ『やったよ!父さん。』と、周りの人も涙して桜の咲く季節、木漏れ日と希望の光に満ちた温かく感動のクライマックスに、氷水でもぶっかけてその温かなゴールシーンを打ち壊し、薄気味笑いで登場する取り立て屋。じつは青年は友人が会社経営に失敗し、逃亡中のため連帯保証人に拇印を押してしまった体の弱い彼がコツコツ働きながらも現実から逃げず取り立て屋から追いかけられている。という複雑なストーリーになるわけだが、コロモックル氏にはそんな複雑な過去なんてあるわけでもなく、天外幸福な月の下に産まれた彼ですからゴール早々にライブのチケット代をせびられ、ひーひー言いながら財布を出し、8千円。ちーん!まいどあり!!駅伝で体力も金も失った。得たのは人生経験と体力の無さ、そして自分の愚かさ。

日々、人生に余裕たっぷりに見えるコロモックル氏。何事にもキャパは大容量。”のびのび”という言葉がとってもお似合い。すべてが感覚とカンで生きている器用な彼が、初めて見せた瀬戸際。あんなにいっぱいいっぱいにキャパを超えた彼は見たことが無い。時折、サイボウグかと人間としての体を疑うこともあるが、今日は彼も私達と同じ人間であることを確信し、一安心。今宵はいい屁をこいてぐっすり眠ることが出来るでしょう。ぷりっ♪

マラソン、それは人間の本性が垣間見れる instruments。自分を見つめなおし、己を恥じて己をわらう。

道、すべてはゴールを目指す。

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2006年2月11日 (土)

芸術の春

20060211_1802_0000 あら。いい男♪と思いきや、こちらの好青年はフランス革命で一花咲かせた色男、ナポレオン。

ここ最近、仕事で帰りも遅く、どっかの某部長のように『仕事して帰って飯食って風呂入って屁こいて寝る。』(手法は某々先輩のブログよりカバー。)なんて日々が果てしなく続いている。いや、むしろ屁しかこいてない。おたみ日和とは程遠し。そんな日常から抜け出して、屁も程ほどにふと物思いにふけりたくもなる今日この頃。先週は国立国際美術館で”プーシキン美術館展”、今週は神戸市立博物館で”ナポレオンとヴェルサイユ展”を堪能し、実に優雅な週末Lifeを過ごした。

先週の日曜日、洛西口氏(2006年1月8日参照。)とその友人、№5147氏と三人で国立国際美術館にて好評開催中の”プーシキン美術館展”を鑑賞に行ってきた。プーシキン美術館とは、フランス近代絵画の伝説的コレクター(画集家)、シチューキンとモロゾフというおっさん、いや、おじ様たちがそこかしこを飛び回って懸命に集めた作品を所蔵しているロシアの美術館のことで、先週はそのフランス近代絵画の魅力に酔いしれた。

私達三人はそれぞれの感受性を尊重し合い、それぞれのペースで絵画を堪能していくことに。初めに、印象主義のモネ、ルノワール、ピサロといった、ある日常の風景やパリの町並み、フランスの片田舎を優しいタッチで描かれた油彩、次にモネやルノワールの影響を強く受けつつ自らの表現を加えたセザンヌを代表とする新印象主義、一時の自分の感情や強く抱かれる思考を絵画に込めて表現するゴッホやゴーギャンの象徴主義…とその時代に画家達が表現したかった心情や、それを表現した意図を探りながら瞳と心で絵画の真意を受け止めて行く。

そのうち三人のペースは乱れてゆき、かなりのハイテンポで直感的に作品のすばらしさを感じとり突き進む洛西口氏、自分の心に突き刺さるものがある作品には特別長く足を止め、感動し、じっくり味わいつつ進む№5147氏、1作づつ解説もきちんと読み、1作づつ様々な思いを感じとりながら均等なペース配分で近づいてみたり、遠ざかったりしながらその作品の見方を楽しむ私。私の1~2作品ほど先を№5147氏が進んでおり、私の位置からはすでに洛西口氏の姿はすでに見当たらない。中盤に差し掛かりもしや洛西口氏はもぅ見終わってしまっているのではないか??と自分のペースの遅さを気にかけ、少々ペースをあげていく…そしていよいよ後半に差し掛かり、次のフロアに進んだそのとき。

ソファで大きな口をぽっかり開けて寝ている洛西口氏…

そりゃ私のショルダーバッグもずり落ちるわ。こんな優雅な一日にとんでもない落とし穴。思わぬところで屁ばかりこいてる日常に連れ戻された。その姿があまりにも恥かしいのでこのまま他人のフリして№5147氏と逃げようかと思ったが、公衆衛生に悪影響を及ぼしかねない、いや、すでに及ぼしてるその光景を放って行っては失礼だ。自分のごみは自分で持ち帰る(遠足のお約束)ってことで、一応起こして一緒に鑑賞することに。寝起きでこんなくるくるパーのパー寄りの頭じゃこのすばらしさも分かるまいが、いたしかたなくゴミを連れて歩く私。

色々な作品を目にした中でも、やはりゴッホは特別すばらしい。心の闇が垣間見れる作品でぱっとしない気分にはなるものの、どんなに美しい作品よりも一層人の心を寄せ付ける力強さがある。そして最後は私でも理解不能なピカソを見て不思議な世界に飲み込まれてしまったような気分で美術館を後にした。

そして今週はナポレオンとヴェルサイユ展。会社の同僚マドモアゼルと神戸まで短い足を伸ばした。神戸市立博物館はナポレオンにふさわしく西洋の情緒あふれるいでたち。ナポレオンとその側近らの歴史を辿りながら、ナポレオンの世界を楽しんだ。

フランス革命によりルイ16世が処刑され、革命以降も不安定な情勢が続くフランスで軍隊の司令官、第一統領として、幾多の戦を乗り越えてフランスの領土を広げ、一市民という身分から皇帝に登りつめたナポレオン。しかしどんなときも軍人としての心は失わず、戴冠後も豪邸や豪華な家具は望まず、古くても使い勝手のいいものを好み、豪邸の建設計画はあったものの、ルイ14世によって建てられたヴルサイユ宮殿に移り住んだり、家具も質素とまでは言わないが、煌びやかさもなくシンプルで、自らの生活スタイルに合ったものを配置した。そして、皇帝としてこれまでにない社会の枠組みを作り上げたのもナポレオン。医療、学校、行政、都市計画という近代社会の基礎を作り上げたのはナポオンであり、私達は今こうして快適な社会生活を送っていることをナポレオンに感謝すべきであると感じた。

ナポレオン展を歴史と共に楽しみながら見ていたら高校の世界史の授業を思い出した。私の高校は文系が9割占めていたので、普通科は世界史B必修。私の世界史の先生は、まるでタイムスリップでもして世界を見てきたかのような臨場感あふれる授業を繰り広げる。ナポレオン時代の話なんて、何を言っていたかは覚えていないが、授業が終わった頃には私もナポレオンに会ってきたかのような錯覚にさえ陥る。そんな授業も思い出しながらナポレオンワールドを楽しんだ。

しかしナポレオンはどんな画家が描いても実に写実的で貴公子そのもの。馬に乗ろうが、毛布をマント代わりに羽織ろうが、何をしても色男。誠に勝手ながら”男前”に認定!ブリュッセルに本部をおくヨーロッパ連合EUがどんな文句や罵声を浴びせてこようと彼には男前の看板を背負わせよう。例えそれが重かろうと軽かろうと。よっこらせ!よっこらせ!

帰がけに私達はお土産コーナーで何か記念に買ってみることに。ナポレオンのポストカードやクリアファイル、ナポレオンの象徴である蜂のバッチ、Tシャツなどがずらりと並びあれこれと迷う。マドモアゼルは無難にポストカードを購入。私はかなり悩んだ結果、ナポレオンが描かれたマグネットを買うことに。しかし『会社で何かつかえないかなぁ?』とマドモアゼルに相談してみると『何に使うの?』と使い道に困ったあげく、『ま、最悪家の冷蔵庫にでも貼っとくわ!』と発したそのとき、

『冷蔵庫にナポレオン、最高でございます。大正解です!』

と店員のお姉さん。実に恥かしい。これほどもナポレオンの偉大さに感激し、何か記念品でも買って余韻に浸りながら帰ろうとしていた矢先の、自分の浅はかな発言に失笑。私もマドモアゼルも冷蔵庫の為に購入。そして、最高なのか最低なのか今うちの冷蔵庫ではゴミの分別表がナポレオンによって貼り付けられている。フランスの皇帝も今では冷蔵庫のゴミ当番。これからは冷凍庫を一度開けるたびにこの社会の秩序に感謝しよう。

帰りに本屋に寄り、大好きなさくらももこの本を買ったらその中に『さくらももこ原画展』、期間2月9日(水)~2月20日(日)、会場梅田大丸と書いてあり日にちも差し迫っているので近日中に行くことに。話ははずみ、私なんて『もし良かったら私一人で週末にもぅ一回いく!』とまで言い張った。そりゃぁ、私の教祖様の展覧会ですから、テンションも上がりますとも↑↑来週も芸術鑑賞とはなんと美しき週末。

しかしよくよく見てみると曜日が20(日)となっている。今年の日曜日は19日。このビラ印刷ミスだ!と言い合ってよくよく見てみると2005年。あぁ、つい先程の希望に満ち溢れんばかりの絶好調な会話は今いづこ(T_T)/~しかも私は二回は行くとまで意気込んでしまったのに、ムダにテンション上げてムダなエネルギーを消費してしまった↓↓1000kcal、およそ天ぷら定食一食分に匹敵するエネルギーは浪費しただろう。あぁ、もったいない。もったいない。non fly、non ecology。

こうして優雅に週末を過ごすと、まるで一統階級にいるような気分にもなる。芸術を目の前にし、自らの心を洗う。荒れ狂った日常に研ぎ澄まされた時間と芸術。それは”無”という光が差し込む静かな瞬間。

来週はどんな芸術が私を虜にしてくれるのかしら♪

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